【令和4年(2022年)入居】住宅ローン控除の控除額と控除期間は?
住宅ローン控除について、令和4年居住分より控除率が引き下げられました。
しかし、新型コロナウイルス感染症蔓延による対策として、特例が設けられていたりしており、大変分かりづらいものとなってきています。
そのため、今回は令和4年に居住の用に供し、令和5年1月~3月に確定申告をされる方の取扱いについてまとめていきたいと思います。(令和5年以降に居住し、令和6年に確定申告される方については、また来年記事にまとめたいと思います)
令和4年1月1日以降に居住の用に供した場合
住宅ローン控除は、令和3年12月31日までに居住の用に供されていた場合では、借入金等の年末残高の1%が控除限度額となっていました。
しかし、現在は超低金利の時代で、住宅ローンの利率は低いと0.3%前後で借りれる場合もあります。そのため、負担金利よりも控除額の方が多い、逆ザヤ状態が問題視されてきていました。
そのため、税制改正により令和4年1月1日以降に居住の用に供された場合の住宅ローン控除の控除限度額は、年末残高の0.7%へと引き下げられています。
また、低炭素住宅や省エネ住宅など、一定の住宅の区分ごとに下記のとおり控除限度額が細かく分かれました。ご自身の住宅がどの区分に該当するかは、デベロッパーや不動産業者にお問い合わせいただければと思います。
住宅の区分 | 控除期間 | 控除率 | 控除限度額 |
認定長期優良住宅 | 13年 | 0.7% | 35万円 |
認定低炭素住宅 | 13年 | 0.7% | 35万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 0.7% | 31.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 13年 | 0.7% | 28万円 |
その他一般の住宅 | 13年 | 0.7% | 21万円 |
下記の特別特例取得に該当しない場合には、こちらの控除限度額に基づいて初年度の確定申告を行うこととなります。
国税庁HPはこちらのページ(No.1211-1)を参照してください。
特別特例取得に該当する場合
特別特例取得に該当する場合の控除期間と控除限度額は以下のとおりとなります。
- 控除期間 13年
- 控除限度額 年末残高等 × 1% (40万円1)
新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律 第6条の2 参照
令和4年1月1日以降に居住の用に供された本来は上記の0.7%なのですが、この特別特例取得に該当する場合には控除率が1%で控除期間が13年となります。
なお、この「特別特例取得」とは、以下の二つの要件を満たす取得を言います。
□ 特別特定取得(取得の対価の額に消費税10%が含まれる場合の取得)であること
この特例は元々消費税が8%から10%へと引き上げられた際の景気対策としての特例であるため、10%の消費税が課せられていることが要件の一つとなっています。
個人間の取引では、不動産価格に消費税をオンして支払うことをしないため、デベロッパーや不動産業者との契約であることが要件です。
消費税が課されているか課されていないかは、不動産売買契約書(建築請負契約書)で確認することができます。その契約書において、消費税額等の欄に数字が記載されていれば、消費税が課されていることとなります。
なお、ここの要件は「特別特定取得」です。二つの要件を満たした場合の「特別特例取得」とは異なりますので注意してください。
□ 次の区分に応じて、それぞれの期間内に契約が締結されていること
・新築の注文住宅の場合
令和2年10月1日から令和3年9月30日までの期間
・分譲住宅、中古住宅の取得、増改築等の場合
令和2年12月1日から令和3年11月30日までの期間
新築の注文住宅であれば前者、建売の一戸建てや分譲マンション、中古物件の取得であれば後者となります。こちらも契約書の締結した日付を確認していただければと思います。
上記二つの要件を満たした場合には、「特別特例取得」に該当し、控除率を1%、控除期間を13年とすることが可能です。
国税庁HPは上記のページ(No.1211-1)ではなく、こちらのページ(No.1212)を確認してください。
最後に
今回は、令和4年に居住した場合の住宅ローン控除の取扱いについてまとめました。
令和4年に居住して、令和5年に住宅ローン控除の初年度の申告を行う場合、新型コロナウイルス感染症による特例や控除率も改正があった年ですので、いったいいくらが控除されるのかが大変分かりづらくなっているかと思います。
基本的には前半の取扱いで、特別特例取得に該当するときのみは後半の取扱いになると考えて頂ければと思います。
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